一戸建ての基礎知識・3
一戸建ての基礎知識・1、2から引き続き、一戸建てを建てる際の重要なポイントをご紹介します。
仮住まいと引越し
一戸建てを建てる為のプランに熱中していると忘れてしまいがちになるのが仮住まいと引越しです。照明やカーテン、家具などは着工してから検討しても十分間に合うのですが、仮住まいと引越しに関しては、少なくても着工1ヶ月前には決めておかなければなりません。
特に解体工事がある建て替えの時には、解体工事期間がありますからもっと早めに準備をしておかなければいけないでしょう。
仮住まいに関しては、通常の賃貸借期間が2年なのに対し、工事期間中だけの短期貸し
(4ヶ月〜6ヶ月)が中心となりますのでそれほど物件数がありません。なるべく早めに探しはじめ、場合によってはいい物件があれば1ヶ月分家賃が無駄になっても押さえるということが必要になってくるかもしれません。
費用の目安としては、敷金2ヶ月、礼金2ヶ月、不動産屋さんの仲介手数料1ヶ月と賃貸期間6ヶ月分の計11ヶ月分の賃料を予算にいれておかなければなりません。仮に15万円であれば165万円の費用がかかってきます。
引越し業者に関しては、TVコマーシャルをしている大きな会社から、運送・物流から発展して引越し業をおこなっているところ、もしくはポスティングを中心に安さを売りにしている小さな引越し屋さんにいたるまで数多くあります。
ここで注意しなければいけないのは、安かろう悪かろうという会社が多く、大事な家具が傷つけられ、または新築した壁や床が傷つけられたというトラブルが非常に多いのが目立つことです。しかもこうした業者程、損害保険に入っていないケースが多く、金銭トラブルに発展するケースも多いのです。
また、大手だからといって安心してはいけません。
確かに金銭的な保証は問題ありませんが、大手のほとんどが、厳しい価格競争からか社員が従事しているわけではなく、管理者として最低1人はつきますが、あとはその日だけのアルバイトを雇っている場合が多いのです。したがって、こうした人たちは経験がないわけですから同様にトラブルが多いのです。一番いいのは引越し業を昔からやっている経験のある会社で、従事している人がすべて社員という会社です。
登記、火災保険
一戸建てを建てるとその場所にどういう構造で1階は何u、2階は何uという表示登記を必ずおこなわなければなりません。この表示登記だけが義務付けされており、その表示された建物を誰が持っているかという所有権にかかわる保存登記とその建物を担保としていくら借り入れしたかという抵当権設定登記などは実は義務付けされておりません。
しかしながら、第三者に対し所有権を証明したり、銀行も担保として自分が入っていると証明するにはこの保存登記と抵当権設定登記が必要なのです。
登記費用に関しては、建物規模と登記名義人の人数そして借り入れをどのくらいしたかによって費用が変わります。一般的には表示登記と保存登記で20万円から30万円くらいの費用を見込んでいた方がいいでしょう。
抵当権設定費用に関しては、借り入れ金額によって大きく異なります。
火災保険は、すべてが自己資金でまかなった場合は、掛けるか掛けないかは自己判断となります。しかしながら、通常は地震保険、家財保険とともに自己の財産を守る大切なものですから、掛けておくことをお奨めしますが、任意ですので施工会社の営業マンも指摘しません。つまり、うっかり忘れがちになるということです。
銀行等金融機関から借り入れがある場合は、借入先が万が一に備え、質権の設定(火災が起き、保険金が出た場合に一番に借入先である金融機関が保険金を押さえ、弁済してもらえるようにすること)をおこないますので、火災保険にはいることは、任意ではなく強制になります。そのほとんどが銀行の紹介先で火災保険にはいらなければなりません。
税金関係
一戸建てを建てる為の諸費用として忘れてはいけないものが税金です。一番大きいものは消費税ですが、それ以外にも不動産取得税、固定資産税、都市計画税、印紙税、登録免許税などが上げられます。
まず、不動産取得税ですが、一般的な一戸建てではほとんどが無税となります。なぜなら各都道府県によって構造別に評価額が決まっており、木造であればおよそ80,000円弱/uとなります。各住戸1200万円までは無税ですから、150u(45坪)までは費用が特殊な高価なものを付帯しなければ(外壁、玄関まわり、リビング等にふんだんに大理石を使うなど)無税となります。
固定資産税、都市計画税は同じ評価額に対し、1.4%と0.3%それぞれかかってきますが、これも当初数年間は軽減されます。
また印紙税は1000万円を超え、5000万円以下なら15,000円ですし、5000万円を超え、1億以下なら45,000円となります。
また、一口に税金と言っても建物だけにかかるわけではありません。土地を購入すれば、その土地にも税金はかかりますし、マンションを売却すれば、その売却益に対して税金がかかります。人それぞれ状況によってかかる税金は変わってきます。土地やマンションを売却して資金とした場合は、居住用不動産の買い替え特例、あるいは3000万円控除どちらを使うかによっても税金は変わりますし、単純に売却した場合の譲渡税も所有した期間が5年を境にした短期か、長期かによってもかわります。そこに相続・贈与税対策等もからんでくると、何を選択した方が一番良いかは総合的に、かつ専門的に考えなければ解決しません。
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2021/3/5 更新